今回は ロイヤルロンドン(RL360°)という投資案件について検証していきたいと思います。
ロイヤルロンドン(RL360°)は、ひと言でいうと イギリスの生命保険会社への積立投資となります。
生命保険会社の積立と言っても、保険の役割はありません。あくまでも投資という扱いです。
特徴としては、日本の積立保険と比べて非常に高利回りであること。
日本の保険会社で個人年金や学資保険といった積み立てをしている方も多いと思います。同じ積立をするなら、ロイヤルロンドン(RL360°)で というのも一理あります。日本の保険会社より歴史もあるし、格付けも高いですしね。
でもオフショア投資口座って なんか不安… 。
私もそんな一人です。そしてそういう気持ちはとても大切だと思ってます。
納得できるまでしっかり調べましょう。その際、間違った情報に惑わされないようにしましょう。
こちらに関しては、私も直接 紹介&お勧めされたことがあり、その時にも色々調べたのですが、記事にしていなかったこともあり、今回改めてまとめておこうと思います。
先に言っておくと、ロイヤルロンドン(RL360°)は詐欺ではありません。が、注意すべきことがいくつかあるので、その辺をしっかりお伝えできればと思います。
では、詳しく見ていきましょう♪
イギリスの保険会社 ロイヤルロンドン(RL360°)概要
会社概要
ロイヤルロンドンは、ロイヤルロンドングループの100%子会社でしたので、まずは ロイヤルロンドングループのことから。
ロイヤルロンドングループとは?
設立は1861年。159年も続く 非常に歴史の長いイギリス最大の相互保険組合です。
※ 10/18現在、最新の情報を ロイヤルロンドン公式HP と各格付けサイトで確認してます
ロイヤルロンドングループに関しては、安全性が高く、信用して良い企業と言えますね。
次に ロイヤルロンドン(RL360°)について見ていきます。
ロイヤルロンドン(RL360°)とは?
ロイヤルロンドン360は、2013年11月に『RL360°』として、ロイヤルロンドングループより独立しています。(全く関係がなくなったというわけではなく、ロイヤルロンドン360は 『RL360°』の株式を23%保有しています)
現在も ロイヤルロンドン360° と呼んでいる人の方が多いように感じるのですが、RL360°(アールエルスリーシックスティ)が正式名称ですね。
- 運用資産 170億ポンド
- 顧客数 23万人以上
- 従業員数 700人以上
- 企業格付け 公式HPではAKG(イギリスの金融コンサルティング会社 )の評価「B+」になっているのですが、現在は確認できませんでした。
ロイヤルロンドン360 本社 マン島について
まず、本社の情報はこちら ↓
International House, Cooil Road, Douglas,
Isle of Man, IM2 2SP, British Isles.
Tel: +44 (0) 1624 681 682
Fax +44 (0) 1624 677 336
Email: csc@rl360.com
ロイヤルロンドン360°(RL360°)は、イギリスのオフショア地区 マン島に在籍しています。
このマン島には、生命保険会社が破城したとしても 資産時価の最大90%を政府が保証してくれる「生命保険契約者保護法」という法律があります。
RL360°の積立投資商品について
さて、いよいよ どんな投資なのか?を見ていきます。
ちなみに私が紹介者から受けた説明は下記の通りです。
- 積立期間は5~25年で選択
- 積立できるのは MAX 70歳まで
- 年利は8%
- 最低積立金は 月 31,000円から
- IFA(代理店)が運用の指示をする
そして 私が調べた限り、日本人が現在契約できるのは「RL360 REGULAR SAVINGS PLAN」のみ。(その他には、マレーシア住民向けの「RL360 REGULAR SAVINGS PLAN MALAYSIA」があります)
RL360 REGULAR SAVINGS PLAN
RL360の公式HPに詳細PDFがあるのですが、もの凄い量でして💦
一応、私はワーキングホリデーを利用して オーストラリアで生活してみたり、軽く英語を使う職場で働いていたりしたのですが、まぁ しんどかったです(^_^;) 翻訳ソフトを併用してもしんどい!
これは…日本人で英語が得意だよ~という人以外は、自分で確認しようと思ったところで恐らく挫折。非公式のネット情報もしくは、ただただ紹介者の言うことを鵜呑みにするしかないのでは?
こういうところが、オフショア投資のデメリットですね。不安を拭うのに労力を要します。
しっかり調べましたが、誤訳があったらスミマセン。知りたい情報は初めの資料にありました。
◇契約できる人
18~65歳
◇積立対応通貨 ※途中変更不可
•英ポンド(GBP)
•ユーロ(EUR)
•米ドル(USD)
•スイスフラン(CHF)
•オーストラリアドル(AUD)
•香港ドル(HKD)
•日本円(JPY)
◇最低積立金
月 280USDから
◇積立最大金額
7,000USD まで
◇積立期間
5年~ ※最長 満71歳の誕生日まで
◇積立頻度
・毎月
・3ヶ月毎
・半年毎
・1年毎
◇支払方法
• クレジットカード
• 自動振替(Standing order)
• 口座引き落とし(Direct debit)
• 電信送金*
• 小切手*
*半年および年払いのみ
あまり 気にしない方はスルーしてください。「自動振替」と「口座引き落とし」って何が違うの?って方の為に一応説明入れておきます。
Standing Order = 自分で先日付の振込予約をする(定額自動振込予約)
Direct Debit = 直接あなたの銀行口座から引き落とされるもの(自動口座引き落とし)
◇積立金額の変更
口座を開いてから 18~24ヶ月(初期期間)以降から可能
◇積立の一時停止
最大2年間まで。一時停止中も手数料は発生。
◇解約
解約はいつでもできますが、非常に高い手数料が設定されており、残存契約年数が9年以上だと 積立金の半分も戻ってきません。
◇Establishment charge(初期口座手数料)
毎月0.5%(年間6%)
これが主な手数料となるのですが、非常にややこしいです。
軽く説明しておくと、契約時に選んだ運用期間によって 「初期期間」が決まります。
この「初期期間」中は、積立金額の変更や積立の一時停止、引き出しなどはできません。
で、初期口座の試算評価額に対しての 0.5%/月が、初期口座資産評価額から差し引かれます。
そして、ずーっと0.5%引かれるわけではなく、初期期間が終わると 積立年数が増えるのに比例して手数料も減っていきます。
逆に言えば、途中で減額や一時停止をした場合、積立金が増えないため、手数料率が下がらず 年6%という高い手数料を支払い続けることになります。
このことからも、この積立投資は途中解約が非常に不利で、長期運用が大前提であることがわかりますね。
◇Administration Charge(管理費)
資産評価額に対して、毎月0.125%(年間1.5%)
◇Servicing Charge(サービス料)
毎月7ドル ※積立停止期間中は 21ドル
◇各種ボーナス
・プレミアムインセンティブボーナス
月々の積立金額が420USD以上の場合、積立期間に応じて 契約初月に以下のボーナスがもらえます。(9年以下の契約ではもらえません。)
10年~:積立金額の1.5ヶ月分
15年~:積立金額の3ヶ月分
20年~:積立金額の4.5ヶ月分
25年~:積立金額の6ヶ月分
・エキストラアロケーションボーナス
積立額に応じて、毎回プラスで付与されるボーナス
770USD以上:積立金額の1%
1330USD以上:積立金額の2%
・ロイヤリティボーナス
満期時に付与されるボーナス(10年以上の契約に限る)
積立年数によって ボーナス率が異なる(2.5~7.5%)
IFA(Independent Financial Advisor)について
IFAとは、Independent Financial Adviserの略で、RL360°から販売を委託されている独立系金融機関です。
全く同じではないのですが、日本でいう証券会社をイメージしてもらうとわかりやすかなと思います。証券会社ですと 自社が売りたい商品を勧めてくる可能性が高いですが、IFAは独立性が保たれているので、金融機関の都合で商品を販売されることがありません。
最近は「保険の窓口」といったような 独立系代理店がありますね?それと同じ感じです。
そして この代理店選びが RL360°に投資する上で一番大事であり、良い運用になるのか 失敗に終わるかの鍵を握ってます。
同じRL360°に投資していても、IFAによって利回りが変わってくるんです。
どういうことかというと、IFAの役割として 「販売窓口」「契約者のサポート」といったものの他に、「運用の指図を保険会社にする」というものがあります。
これは、市場の動向を見ながら 契約者の代わりに IFAが運用をするというところもあれば、外部の優秀な運用会社に委託しているIFAもあります。
勘の良い方はお気づきかと思いますが、中には ろくに運用もせず 放ったらかしのところもあるんです。
このIFA選びを間違えると、RL360°への投資は 簡単に詐欺まがい案件と化してしまうわけです。
IFAは変更(移管)が可能ですので、運用が不透明だとか サポートに不満を抱いているのであれば、手数料はかかりますが すぐに移管手続きをすることをお勧めします。
イギリスの保険会社 ロイヤルロンドン(RL360°)まとめ
今回の案件、私は投資することを見送りました。
見送った1番の理由は、私の紹介者は「リスクを一切説明しなかったから」に他なりません。
どういうことかというと、私も色々痛い目を見ているので、手数料とかペナルティとか結構細かく質問したんです。にも関わらずですよ? 紹介者が言い放った説明はというと
- いつでも積立額の変更や積立の一時停止ができる(ペナルティ無し)
- 毎月かかる費用はなく、必要なのは積立資金のみ(手数料の説明無し)
- 利息分に関しては、好きな時に引き出してOK
単に 私の紹介者に知識がなかったのか、とりあえず契約だけしてもらえれば 自分に紹介料が入るからという意図があったのかはわかりません。
いづれにせよ、もう信用に値する人ではなくなりました。
元々 親しい間柄であったわけではなく、ただの知り合いだったのですが、話を聞いたくらいなので「信用できそうな人」ではあったわけです。まぁ、私の見る目が無いと言われれば、おっしゃる通り!と自分でも言ってしまうくらい、つくづく見る目がないなぁ…と痛感した一件だったわけですが。
信用できない人と接点を持つことは、私にとって苦痛以外の何物でもありません。LINEもブロックし、一切の関係を断ちました。
この記事を読んでくれている方の中に 紹介者側の人はいないとは思いますが、仮に自分が本当に良いと思っている投資先であっても、紹介することには責任とリスクがあることを知っていただければと思います。
良かれと思ってやったことで、大切な人との関係が終わってしまうこともあるんです。宗教の勧誘と一緒ですね。彼らも「この人も助けたい!」という想いから活動しているのが大半です。
相応の知識を身につけたうえで、99%ではなく 100%安全だと言い切れる・自分もやってみてしっかり確認できてるもの(ポンジスキーム要注意)以外は、話さないでおくのがベストです。
もちろん、紹介者だけの問題ではなく、この案件自体にも魅力を見出せませんでした。
理由としては、最初に決めた積立金額&期間を変更せずに、満期まで積み立てを続けるからこそ意味がある投資先 だったからです。途中で減額や引き出し・停止・解約などをしたら、元本割れすることがほとんどだと思います。
私はシングルマザーというのもあり、いつ何時 お金が必要になるかわかりません。毎月31,000円を支払うのが難しい状況になる可能性もあります。それなのに10年以上預けておくことが大前提で、引き出せば損するような運用先にお金を入れられないなと思いました。
そして 今回お伝えしたいのは「日本の個人年金保険の代わりだから 満期まで預けるの問題ないよ」という人であっても、「IFA(Independent Financial Advisor)によっては詐欺まがい案件になってしまいかねないよ」ということです。
もしRL360°に投資するのであれば、IFA選びには時間をかけて、運用実績などもしっかり確認してください。
また、RL360°は日本の金融庁には登録されていませんが、契約すること自体は違法でも何でもないです。
ただ、日本国内でRL360°の勧誘や販売を行うという行為は、金融商品取引法で禁止されています。本当に話すだけなら問題ないのですが、紹介料をもらった時点で違法となります。
もし契約したいのであれば、勧誘してくる人を介せず、自分で申し込みましょう。投資助言代理業の認可を受けている投資顧問会社からでしたら、助言やアドバイスをもらうことは可能です。
しっかりと内容を把握していて ちゃんとデメリットを説明してくれる紹介者はかなり少なく、良いことばかりアピールしてくることが多いので、十分注意してください。
「ボーナスをたくさんもらうために、積立金多め・積立期間長め で契約しましょう!後から変更できますし」なんて言ってくる人がいたら、すぐにシャットアウトしてください。言われるがまま契約なんて 絶対ダメですよ。
私も 紹介者からどこのIFAなのか聞いておけば良かったなぁ と、この記事書きながら 少し後悔しております。